Geophysical Research Group
FNCT

平成6年度福井工業高等専門学校教育後援会研究奨励金による研究完了報告書

プロトン磁力計による全磁力観測
指導教官 岡本 拓夫 教官

4年電気工学科 徳島 大己
2年電子情報工学科 西部 知恵
指導官所見

 本研究は,全磁力を定点で定常的に観測する事により,地電位差観測における 磁気擾乱補正に利用すること,および面的な観測を行うことにより地下構造の類 推に使用することを目的としている。本年度は,観測装置を池田町(TIJ)に移設 し定常観測を開始したこと,およびELF-MTと併用しながら地下構造の推定を行っ たことが,観測・研究の中心となった。ただ残念なことは,兵庫県南部地震(19 95,M7.2)に関係す全磁力の変化が分解能等の理由から見いだすことができなかっ た。しかし地下構造については,観測の結果,温見断層の断層被砕帯に関係する だろうと思われる低比抵抗構造の存在と,それに伴う全磁力の変化を観測するこ とができた。また,電場の主方向から推定されていたように,地電位差の観測用 電極Bが低比抵抗帯の中に存在していることが確認できた。  来年度は,地電位差グループと総合観測体制に入り,地震予知の可能性および 温見断層の構造解析を進めようとしている。更なる発展と結果が期待される。

1.はじめに

 今年の1月17日に発生した兵庫県南部地震(M7.2)により、地震予知の可能性に対する関 心が高まっている。地震予知の手法は、地震学、地球電磁気学、地球化学の各分野におい ての観測、解析を基礎としたものがある。我々は、その一つである地球磁場に関する研究 として「プロトン磁力計による全磁力の観測」をテーマに行ってきた。今年度は、観測点 を前年度まであった南条町上牧谷から池田町谷口へ移設し、定点観測を行うとともに、 czm−2型プロトン磁力計による観測点付近の地下構造探査を研究の中心として行った。

1.観測用機器

 全磁力観測のために、ソフトビル社km63と中国製のczm−2型のプロトン磁力計を使用し た。これらは前年度の研究でも使用したものである。尚、プロトン磁力計の原理について は、平成4年度の報告書を参考にしていただきたい。また、池田町谷口観測点付近の地下 構造探査のために、田中地質コンサルタントより中国製の簡易ELF測定器YDD−2B型をお借 りした。この機器は、ELF及びVLF帯の電波を使用したMT法(注)による地下の電気伝導率を 測定するものではなく、地下に断層、ダイク、破砕帯などがある場合に地電位の変化とし て測定される。一般的に電気伝導率はnmで表すが、用いた測定器はmV単位で表示される。 簡単な地下構造を探査するために用いる。 (注)MT法 自然発生的な空中の変動から平面波が地表に垂直に入射する場合、地中に電場と磁場が発生す る。地表でこの両者を測定し、地下の電気伝導率を求める。

3.観測点の移動

 今年度、観測点を今まであった南条町上牧谷から、福井県今立郡池田町谷口(1360 21’52”E,35°53’58”N)へ移設し’94年10月6日より全磁力観測を開始した。fig.1に’94年10 月6日〜’95年1月22日にかけての全磁力データを示す。これは半日の全磁力データの平均 を取りグラフにしたものであり、空白になっているところは欠測期間である。移設後全磁 力は順調に観測されており、これからもこの谷口観測点において観測し続けていくつもり である。

4.巻末図集

lka-taniguchi WIF and Proton Surevey
fig1
fig2
fig3
fig4
fig5
地震班論文集へ戻る



ご意見ご感想はNAMAZ伝言板までお願いします。 by Webmaster