Geophysical Research Group
FNCT

平成17年度福井工業高等専門学校教育後援会研究奨励金による研究完了報告書

地殻活動解析装置の改良に関する報告書

           
4年 電気工学科 高須洋佑
4年 電気工学科 乾隆一
3年 電気工学科 山本大祐
3年 電気工学科 鷲田晃暢
2年 電気工学科 加藤秀樹
2年 電気工学科 高間俊明
2年 電気工学科 寺田一樹

指導教官 岡本拓夫教官

1 はじめに

 地球物理学研究会では、地震活動や地盤特性について研究し、特に地震波と電磁気について統計的に調べるため、観測室において、パソコンを用いてシグナルをA/D変換し記録している。今年度はデータ再生用ソフトウェアの改良と清水町笹谷と池田町谷口にある観測室へ行き観測装置の修理、観測室の保守を行った。また、一部は高専際に於いてポスターを作成し発表を行った。  

2 地殻活動解析装置の改良に関する報告書

  前澤技官が開発中だった尾池(現京都大学総長)・松村式イベントレコーダ(以下OM式イベントレコーダ)のデータのデジタル化マシンは、昨年度にいくつかのパソコンのハードディスクに残っていたハードウェアとファイルを集め、組み立てた。波形データの再生、保存などの基本的な部分については問題なく動作している。そのため、すでにデジタル化された波形データについては波形を取り出すことができる。しかし、A/D変換機能がうまく動作しなかったためカセットテープに記録したアナログ波形をデジタル化できなかった。 そこで、今年度はOM式イベントレコーダ式によるアナログデータをデジタル化するA/D変換機能を完成させ、OM式イベントレコーダ解析装置を改良するための研究を行った。まず、A/D変換機能がうまく動作しない原因を特定するためさまざまな実験を行った。OSの種類、マシンの構成などを変更して動作するか実験を行った。しかし、どの組み合わせでも動作しなかった。よって原因は、A/D変換に関するプログラムやドライバ類にあると考え、プログラムのチェックとドライバを最新のものに変更して実験を行った。それでもうまく動作しなかった。これらの実験より原因は解析ソフトとADボードが使用しているダイナミックリンクライブラリ(以下 DLL)に問題があると推論づけた。DLLの修正を試みたが作成者である前澤技官が亡くなられ、ソースファイルも残っていないため非常に困難に陥った。そのため、これ以上のOM式イベントレコーダのA/D変換機能の開発を断念することにした。そのかわり、波形再生部分など基本的な部分については他の波形解析ソフトに応用することにした。 そこで、地球物理学研究会で観測しデータを収集している地電位に注目した。現在、地電位のデータは観測所でパソコンを使いリアルタイムでA/D変換し収集されている。しかし、専用の波形の再生ソフトがないため波形を視覚的に捉えたり、比較したりするために表計算ソフトを使用しているが、一度に読み込めるデータ量に制限があるため、データの必要な部分を手動で捜し出して切り出している。そのため、膨大な手間がかかり効率もあまりよくない。解析が思うように進まず、未解析のデータが蓄積されていく一方である。波形解析ソフトの開発が急がれておりOM式イベントレコーダの波形解析部分を応用して来年度開発するつもりである。

3.観測点のメンテナンスについて

福井市笹谷町にある観測室に赴き記録された池田町谷口にある観測室の地電位データ収集用パソコンが故障したため修理を行った。原因となったハードディスクを交換し、OS、地電位データ収集ソフトを再度インストールした。現在のところデータは順調に収集しているものの若干の不具合がありデータが圧縮されていない。そのため、収集できるデータ量が制限されている状況である。 また、昨年末から今年初めの記録的な大雪で観測室に被害が出ている。来年度はそれらの修繕を含め観測室全体の保守管理を行う予定である。

4.Web部門  昨年度に引き続きホームページの更新を行った。 

5. 前澤方式で記録された地震波の解析について

Fig.2 谷口(TIJ)における2004年10月5日のS波のパーティクルモーション 2004年10月5日8:33に池田町で発生した地震を、谷口観測室で記録した。図は、そのデータを表計算ソフトで視覚化したものである。南北、東西の速度波形より得られたS波のパーティクルモーション(地表面における速度分布)である。上図で直線が見られるが、これは速度波形が観測機の測定限界を超えたためと考えられる。従って、実際はもっと大きな動きをしていると推定される。 また、図には含まれていないが上下の速度波形のデータも同じく記録しているため波形再生ソフトを応用すれば立体的に速度波形を視覚化できるものと考えられる。

5. 感想  今回の研究は主にOM式イベントレコーダのデータのデジタル化マシンについて行った。A/D変換機能の完成は断念することになり残念だった。しかし、波形解析部分については地電位のデータ解析に応用が十分可能なため積極的に行っていきたい。

6. 謝辞  本研究に於いて、本校一般科目物理担当 岡本拓夫助教授にはさまざまなご指導を頂き、深く感謝します。誠にありがとうございました。

7. 参考文献 前澤廣道  OM式イベントレコーダー用地震波形読み取りプログラム用(1999) 前澤廣道  Windows環境でのA/D変換と地球物理観測への応用(2001) 高須洋佑他 平成16年度奨励研究完了報告書「福井県及びその周辺に於ける地殻活動の研究」(2005)  




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